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イベント詳細
第40回 F.I.H.ハーモニカコンテスト 結果発表
- 開催日
- 2022年6月11日(土)
- 会場
- 御茶ノ水 全電通ホール
- 部門
- クロマチックハーモニカ・ソロ/クラシック
複音ハーモニカ・ソロ
クロマチックハーモニカ・ソロ/ジャズ&ポップス
- 審査員(敬称略)
- 和谷 泰扶 徳永 延生 崎元 讓
美野 春樹 水野 隆元 寺澤 ひろみ
第40回 決勝ライブ
グランプリ
- 錦織 のり子 クロマチックハーモニカ・ソロ/クラシック部門
クロマチックハーモニカ・ソロ/クラシック部門(出場者7名)
- 第1位 錦織 のり子 Fantasy Etude – Test Piece WHC 1993/作曲者:Yasuo Watani
- 第2位 内山 るみ ラプソディ・イン・ブルー/作曲者:J.ガーシュイン
- 第3位 小野 洋平 五つの小品 V.ロシアの踊り/作曲者:ゴードン・ジェイコブ
複音ハーモニカ・ソロ部門(出場者7名)
- 第1位 正井 佳瑞麻 ルーマニア民族舞曲/作曲者:バルトーク・ベーラ
- 第2位 平良 須門 無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番ホ長調/作曲者:J.S.バッハ
- 第3位 田中 恭枝 『城ヶ島の雨』による幻想曲/作曲者:梁田 貞
クロマチックハーモニカ・ソロ/ジャズ&ポップス部門(出場者12名)
- 第1位 安田 薫 キャラバン/作曲者:デューク・エリントン
- 第2位 山﨑 妙子 哀愁のヨーロッパ/作曲者:カルロス・サンタナ
- 第3位 熊谷 みら 『情熱大陸』/作曲者:葉加瀬 太郎
審査員講評
クロマチックハーモニカ・ソロ/クラシック部門
- 崎元 讓
- 予選の録音での演奏も回を重ねるごとに水準が上がっていて優れた演奏が多く、審査するのに苦労しました。6月11日の御茶ノ水の全電通ホールでの決勝ライブでの本選出場者7名の演奏は、甲乙つけがたいものがありました。コンテストですから順位はつけなくてはなりません。演奏の良し悪しは単に演奏技術が優れていることだけではなく、いかに聴衆に自分の演奏の思いを伝えることが重要です。
- 今回のコンテストで入賞された方もここからがスタートです。これからまた新たな気持ちで練習を続けて、聴衆を感動させる演奏を聴かせてください。お疲れさまでした。
- 和谷 泰扶
- 2020年春以降の新型コロナウイルスの蔓延により、余儀なく中止となっていました第40回FIHハーモニカコンテストは、事務局の懸命な努力と感染対策への真摯な取り組みのもとに、規模を縮小しながらも3年ぶりに開催することができました。皆様のご尽力に心から感謝いたしております。
- クロマチック・ソロ・クラシック部門はレベルが年々上がり、予選を通過されなかった方は僅差によるところと思われますので、今後も本選出場を目指して頑張って頂きたいです。
- 今回から、ドイツ・トロシンゲンで行われます世界ハーモニカコンテストと同様のマイクを使用しない決勝ライブで、予選通過者の生音による演奏が審査されました。
- 音楽性や技術はもとより、ダイナミクスや音色などが明確に聴くことができました。決勝ライブは大変緊張する舞台ですが、上位に入賞された方はやはり安定した技術力と少しの余裕を感じました。
- これからの課題としては、楽譜を間違えずに演奏することはとても大切なことですが、楽譜の奥にあるものを読み取り、ハーモニカを通していかに音楽を表現できるかが問われることでしょう。
複音ハーモニカ・ソロ部門
- 水野 隆元
- コンテストですから順位が付きますけれど、皆それぞれに異なる魅力と、そして異なる問題点があったように思います。
- 演奏は素晴らしいが覇気が無く音楽を支配しきれないもの、曲の選択は良いが音形や音質に無頓着なもの、楽曲全体の構成がちらかっているもの、そもそも演奏技術がおぼつかないものなど様々でした。
- 演奏するということは自身のビジョンに基づいて音楽をコントロールすることですから、楽曲の理解、ビジョンの構築、それを具現化するボディコントロールが必要です。
- 美術館を歩いていて、1点だけ静かな魅力を湛ていて心が離れない作品に出合うことがあります。そのような演奏が私たちの理想とも言えるでしょう。
- これからの皆さんがどのように音の深淵に潜っていかれるのか、楽しみにしています。
- 寺澤 ひろみ
- コンテスタントの皆さま、長時間にわたりお疲れ様でした。
- 複音部門の演奏に関しては、本選に出場する方ですので皆さん高い技術をお持ちと感心しました。ただ一つ「マイクの集音域を意識して吹きましょう」ということを特に申し添えたいと思います。
- 全般的に気になったことを申しますと、人前で演奏することに慣れないという方も多かろうと思いますので、特に「女性が気にしたいこと」を挙げます。それは、壇上で演奏する際の服装と靴の選び方です。
- 皆さんは壇上に上がります。審査員含め観客の多くは、椅子に座って下方からそれを眺めます。しっかりといい音を出すために、脚を広げ下半身を安定させ、膝のクッションを使いながら演奏する方が多いでしょうけれど、その際のスカート丈を気にしたことがありますか?自分が演奏する姿を客観的に見たことはありますか?スカートをお履きになる際は、なるべく脛が隠れる程度かくるぶし丈の衣装をお選びになるとよいでしょう。
- また、本番用の靴としてかかとの高いものを用意している方もあるかと思いますが、いきなりかかとの高い靴を履いてしまうと、吹くときの重心がずれて本来の力を発揮できませんので、事前に慣れておくことをお勧めします。
クロマチックハーモニカ・ソロ/ジャズ&ポップス部門
- 徳永 延生
- 予選の応募が3つのカテゴリーでは最高の応募数でした。その結果決勝には12名の皆さんが選ばれました。この決勝に残った時点で凄い事だと思います。
- ハイレベルの中での予選通過、そして本戦での演奏はまさに熾烈、圧巻、素晴らしい演奏の数々に審査員もただただびっくり。
- 1位の安田薫さん、難易度の高い「キャラバン」をフラッター、グロー、オクターブ奏法など見事なテクニックとリズム感で完璧に演奏されました。
- 2位の山崎妙子さん、「哀愁のヨーロッパ」、絶妙なテクニックと歌い回し、最高のリズム感で見事にドラマを作り上げました。
- 3位の熊谷みらさん、「情熱大陸」、冒頭は素晴らしい歌心で、美しいビブラート、ベントなどを駆使し、そしてリズムが始まってからのノリノリの演奏は圧巻でした。
- それ以外の方々も素晴らしい演奏で本当に僅差で順位が決まってしまいましたが、また来年こそと言う気持ちで頑張ってください。
- ありがとうございました。
- 美野 春樹
- 3年ぶりに皆さんの演奏を生で聞かせていただき、とても嬉しく思いました。舞台上での緊張にも拘わらず、素晴らしいパフォーマンスをされている方々が多くいらっしゃいました。皆さんのレベルの高さに感動いたしました。
- 特にジャズ・ポップス部門においては、正直言って順位を決めるのに大変苦労するほどでした。ただ以前より申し上げておりましたが、ジャズ系の曲では書き譜ではない、その場のインプロヴィゼイションを是非期待したいところです。
- それからスウィングの乗りが今ひとつだったのが気になりました。つまり走り気味だったり、やや不自然なイントネーションのフレーズが所々聞かれました。(微妙なセンスですが。。。)
- これからもハーモニカに限らず、色々な楽器による曲をはじめ、あらゆるジャンルの曲をできるだけ聞くことをお勧めします。ご自身の音楽の幅が確実に広がることとなるでしょう。
グランプリ
- 崎元 讓
- 各部門(今回はクロマチックハーモニカ・ソロ/クラシック、複音ハーモニカ・ソロ、クロマチックハーモニカ・ソロ/ジャズ&ポップス)の第1位入賞の方を、当日の審査員が無記名投票で選出しました。
- 票は割れましたが多数決でクロマチックソロ・クラシック部門の方が選ばれました。おめでとうございます。今後の活躍を期待しています。